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2003年の第一主日を迎え、このように共に礼拝できますことをまず感謝いたしたく思います。私たちが礼拝できますのは、神様の無私のご奉仕のゆえであります。神様の憐れみが絶えないゆえであります。それゆえに、私たちもまた神様に無私の奉仕を捧げたく思います。
今年の教会の主題聖句は、「すべてのものは、神から出て、神によって保たれ、神に向かっているのです。栄光が神に永遠にありますように、アーメン。」(ローマ11：36)であります。この主題聖句はこれまでの歩みの総括であり、またこれからの目標でもあります。私たちの全ては神の導きの中にあります。それゆえにわたしたちは今日このようにあり得ているのです。
私は以前、「福音とは、限りない連帯のことである」との定義らしきものを持つに至りました。その後の歩みは、そのことをいっそう確かなこととして知らされるところの歩みでありました。
森有正は、「人生で大切なことは経験の深まりである」と言いました。私たちは神に捕らえられ信仰に入れられました。しかし繰り返し試練に遭います。しかし｢神共にいます｣というこの一事を、試練を経て、更に深く魂に刻む経験をしてきました。それを森有正は、「経験の深まり」と言ったのです。私たちの今年の歩みがそのようであることを願います。
バルトの『教義学要綱』の中にこういう言葉を見つけました。それは「罪の赦し」の項に出てくる言葉です。「神ご自身がイエス・キリストにおいて人間の代理となり給うた。」これは私たちが肝に銘じている事柄です。その次のページに、「我々のなし得ぬことを我々に代わって為し給う神、それが義認である」。また、「イエス・キリストの義が、今やわたしの義である。それが罪の赦しということである」とあります。徹頭徹尾、われわれはただ、執り成しによって、絶対の赦しによって生かされているのです。「ただ神の恵みによってのみ、わたしは今日あるを得ているのです」。
我々のなし得ぬことを我々に代わって為し給う神、しかもご自身の全てを注ぎ出して我々のために如何なることも為してくださる神、それが聖書に証されているイエス・キリストにおいてご自身を示してくださった私たちの信じている神であります。かかる無限の憐れみに満ちた神が、全てを造り、全てを支え、そして私たちは神の祝福の全てに与かるようにと導かれているのです。私たちが自分自身で懸命に努力して獲得することではなくて、神ご自身が我らのために身を捧げて勝ち取ってくださった全てのものを私たちに与えてくださるのです。これが私たちが礼拝する神の恵みです。この神から全ては出で、全ては保たれ、全てはこの神に向かっているのです。これが私たちに与えられた主題聖句であります。(1月5日新年礼拝説教より)
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