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＜イエスはこの十二人を派遣するにあたり、次のように命じられた。「異邦人の道に行ってはならない。また、サマリア人の町に入ってはならない。むしろ、イスラエルの家の失われた羊のところへ行きなさい。行って『天の国は近づいた』と宣べ伝えなさい。」＞マタイ10:５~７
◆主イエス・キリストの伝道の始めについてはマタイ福音書５章１７節に、「そのときから、イエスは、『悔い改めよ。天の国は近づいた』と言って、宣べ伝え始められた」とあります。また主イエス様の御業については繰り返し、「イエスはガリラヤ中を回って、諸会堂で教え、御国の福音を宣べ伝え、また、民衆のありとあらゆる病気や患いをいやされた」と記されています(４章23節、10章35節)。これがイエス様ご自身の伝道の御業です。
◆「天の国は近づいた」とは、『神の国(＝神の恵みの支配と行動)の到来と実際』を示す言葉です。主イエスが「天の国は近づいた」と言われますと、その言葉はそこで出来事となります。＜「宣べ伝え」は宣伝というよりも布告・告知・宣言というニューアンスの言葉です。確かな事実、確かな神の御意思の宣告です。＞ですからイエス様の宣教には神の恵みの実際としてあらゆる病気や患いのいやしが起こります。そのようにして様々な病い、恐れ、悲しみ、苦しみに捕われた人々が解放され、神の国の祝福へ入れられて行きました。
◆マタイ福音書10章１〜４節には「１２弟子の選び」、５節以下にはその１２人を派遣するに際しての指図が記されています。そのお指図の冒頭の部分は上に記した通りです。「異邦人の道に行ってはならない。また、サマリア人の町に入ってはならない。むしろ、イスラエルの家の失われた羊のところへ行きなさい。」一見するとこれは偏狭な民族主義のように見えますが、むしろ宣教の具体性を指示するものであります。
◆伝道は足元から始めなければなりません。伝道と言い、神の国と言い、それが具体的な生活の場で力を発揮するのでなければ、結局それは単なる言葉です。先ず自分の足元から伝道していく。先ず自分の信仰を真実なものとして生きていく。教会において、家庭において、職場において。正にそこで、「天の国は近づいた」という事実を、私たちが本当に感謝して生きて行くのでなければ、その伝道は観念、空論です。私たちが本当に神の御支配の只中にあることを信じ、感謝して生きる時、そこに名実共に「神の国」の空気が漂い、そしていやしと解放が起こります。これは確かなことです。私たちはその主の伝道の業に与かるように召されていることを覚えたいと思います。
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